骨折で入院していた高齢の母は、入院生活で筋力が低下してしまい、退院後すぐに自宅に戻るのは難しそうです。本人は自宅での生活を望んでいるため、在宅復帰を支援してくれる老健への入所を検討していますが、家族としては退所後に在宅生活を続けていけるか不安があります。
介護老人保健施設「リハビリケア船橋」では、入所中に自宅に戻るためのリハビリに取り組めるだけでなく、退所後はショートステイ・通所リハビリ・訪問リハビリなどの在宅サービスを通じて、身体機能や活動量の低下を防ぐことができるのだとか。
身体も心も元気にするリハビリの提供を目指して、さまざまな専門職が団結しているらしいので、さっそく見学に行ってきます。
玄関
上尾中央医科グループ(AMG)の介護老人保健施設「リハビリケア船橋」があるのは、JR総武線・京成線・東武アーバンパークラインの3路線が利用できる「船橋駅」徒歩5分の好立地。駅周辺はさまざまな商業施設や飲食店で賑わっていて、施設周辺は閑静な住宅地で、自然の景色も楽しめます。車でアクセスする場合は、船橋ICより国道14号を東へ進み、船橋駅南口方面へ約10分です。
玄関では、事務スタッフの佐藤さんが迎えてくれました。
「こんにちわ!当施設は駅が近いので、ほとんどのご家族が電車で相談・面会に来られます。駅から徒歩圏内の老健は珍しいため、船橋市にお住まいの方だけでなく、お隣の習志野市や市川市にお住まいの方からの利用相談も多いんですよ」。
玄関周辺
玄関を入ると事務所があり、スタッフの皆さんが元気に挨拶をしてくれました。
「玄関の風除室には、利用者様のレクリエーションの写真などを掲示し、洗濯物の交換や面会に訪れるご家族に楽しんでいただいています。また、エレベーターホールの掲示板には施設の広報誌を貼り、ご家族に日々の活動を知っていただけるよう努めています」。
「ご家族の面会は、1日1回、月~日の13時~15時で行っています。予約は不要です。毎日でも大丈夫です」。
相談室
相談室に行き、支援相談員さんを紹介していただきました。
「ご利用前の相談は、プライバシーに配慮したこちらのお部屋で、経験豊富な支援相談員が対応しています。老健の特徴や当施設の利用案内はもちろん、入所前の不安や、ご本人・ご家族が置かれている状況に関するお悩み、退所後の生活についてなど、さまざまな相談をお受けします」。
「ご家族の中には、『老健には3カ月しか入所できない』と思われている方も多いですが、当施設では退所後にショートステイ・通所リハビリ・訪問リハビリをご利用いただくことで、継続性のあるリハビリを提供できるほか、施設入所と在宅生活を3カ月ごとに繰り返す利用の仕方なども提案し、長期的な視点で支援に取り組んでいます」。
いろいろな利用の仕方があるんですね。
入所フロア
つづいて、入所フロアへ。
「入所定員は100名で、2階は認知症専門棟50名、3階は一般棟50名の構成です。フロアの照明は暖色系で統一し、眩し過ぎず温かみのある空間を実現し、白とこげ茶を基調とした落ち着きのある内装にもこだわりました」。
「長い廊下は、当施設の自慢の一つで、全長約90メートルもあり、廊下幅もゆったりと広く確保しているため、開放感があって歩行訓練にぴったりです」。
「入所フロアの利用者様の平均要介護度は3.4で(2024年2月)、男女比はそれほど差がありません。在宅から入所される方よりも、病院退院後に入所される方のほうが多く、看護師が24時間常駐し、胃ろうなどの医療依存度が高い方の受け入れも行っています」。
入所フロア
入所フロアでは、さまざまな専門職が働いています。
「当施設では、介護職・看護職・リハビリ職を、フロアごとに固定で配置し、顔馴染みのスタッフからサービスを受けられる体制を整えています」。
「多職種が一丸となって質の高いチームケアを実践している結果、毎月複数名の利用者様を在宅復帰に導くことができていて、老健として最高ランクの「超強化型」の認定を受けています」。
「また、当施設で最期を迎えたいという声にも応えていくために、看取りケアも行っていて、終末期をどのように迎えるか、ご本人・ご家族の意向に寄り添ってサポートしています」。
居室
お次は、居室を見学しました。
「居室は個室と4人部屋があり、共同スペースと同様に白とこげ茶を基調とした内装で、ベッド・床頭台・家具などの色味も合わせています」。
「個室には、トイレ・洗面台を設置していて、プライベートな空間を重視したい方からは大変好評です。ご自宅で愛用していた日用品やテレビの持ち込みも可能で、携帯電話もお部屋でご利用であれば問題ありません」。
「4人部屋は、仕切りのカーテンを備え付けることでプライバシーを確保し、洗面台を設けているほか、ちょっとしたお荷物を収納する家具も備え付けています」。
リハビリテーションスペース
入所フロアの一角が、リハビリスペースになっています。
「リハビリテーション科には理学療法士・作業療法士・言語聴覚士合わせて25名が在籍し、利用者様の心身の状態に合わせて、歩行訓練や筋力トレーニングなどの運動リハビリ、日常生活動作のリハビリ、言葉や嚥下機能のリハビリなどを組み合わせて提供しています」。
「入所時にはリハビリスタッフがご自宅を訪問し、生活環境を把握した上で個別のプログラムを立案していて、ご自宅に戻られる際に必要な環境調整も検討しながら、入所後3カ月間は週7回の個別リハビリを集中的に行って生活動作獲得を目指していきます」。
入所フロアのデイルーム
入所フロアのデイルームに行き、レクリエーションの様子を見学しました。
「入所フロアでは、日常生活にメリハリを持つことと、季節の移ろいを感じることを大切にしていて、月に一度はフロアでのレクリエーションを開催。1月のお正月から12月のクリスマス会まで、介護職が中心となって企画し、創作活動や鑑賞会など工夫を凝らしています。一番人気は食べ物系のレクリエーションで、まさに『花より団子』です(笑)」。
「また、書道やお花など、興味に合わせて選択できるクラブ活動も盛んで、利用者様の趣味や好きなことを伺いながら新しいクラブ活動も取り入れています」。
図書スペース
各フロアの食堂には、たくさんの本が並んでいます。
「こちらの本は、スタッフや利用者様のご家族から寄付を募って集まった本が中心で、トータル900冊を超えています。ジャンルを問わずさまざまな本があり、読書が趣味の利用者様は1日読んでいることもあるんです」。
それは素敵です。
浴室
つづいて、浴室を案内していただきました。
「フロアごとに浴室があり、入浴サービスは週2回です。個浴・介助浴・機械浴(チェアインバス)の3タイプの浴槽を揃え、お身体の状態に合わせて選んでいただいています」。
「脱衣室も広いスペースを確保していて、パウダールームまで備えているんですよ」。
食堂
食堂に行き、昼食の様子を見学しました。
「当施設では、管理栄養士・言語聴覚士が中心となって、食事の様子を多職種で観察させていただき評価を行う『ミールラウンド』を、定期的に実施しています」。
「噛む力や飲み込む力に応じた食事形態となっているか、安全で食べやすい食事環境が整っているかなど、利用者様お一人おひとりの状況を確認し、美味しいお食事をお口から安全に召し上がっていただけるよう努めています」。
「食事は味だけでなく、見た目や温度も重要ですから、栄養科では旬の食材を使用した行事食を月2回以上企画し、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく召し上がっていただけるよう温冷配膳車を用意しています」。
介護付き有料老人ホームきゃろっと
4Fには、併設施設の「介護付き有料老人ホームきゃろっと」があります。
「きゃろっとの定員は29名で、地域密着型サービスのため、原則として船橋市を居住地とする要介護認定を受けた方のみの利用となります」。
「こちらは終の棲家として入居できますので、当施設の雰囲気を気に入った利用者様の中には、退所後にきゃろっとへの入居を希望される方もいらっしゃいます」。
通所リハビリフロア
つづいて、通所リハビリフロアへ。
「通所リハビリの定員は1日45名で、月曜~土曜の運営です。1日型だけでなく、リハビリのみの短時間型もあり、ご希望に合わせて選択可能です」。
「送迎にも対応し、車椅子ごと乗車できるリフト付きワゴン車かスロープ付き乗用車にて、送迎を行います。船橋市南部エリアを送迎範囲として、運転手のほか介護職も添乗して送迎を行っていますのでご安心ください」。
「このフロアの大きな特徴は、機能訓練室と浴室が廊下をはさんで向かい合っていて導線が短くて、全体的に賑やかで開放的な空間であることです」。
「老健を退所後に利用している方、ショートステイと併用している方、老健入所につながる方などがいて、切れ目のない支援が実現しています」。
「看護師が常駐していますので、体調管理や皮膚の状態観察、処置などにも対応できて、受診が必要と思われる場合にはアドバイスも行っています」。
通所リハビリフロア
通所リハビリの一日の様子を教えていただきました。
「朝は施設に到着後、手洗い・うがいをしていただき、その後はお席でバイタル測定です。午前の部・午後の部と交替で入浴とリハビリをご案内し、それ以外の時間は塗り絵・パズル・計算問題・折り紙などの手作業を中心に、お好みに合わせて過ごしていただけます」。
「おやつの時間があり、その後はゲームやレクリエーションを楽しむことが多く、レクリエーションで高得点をとると廊下に掲示するなど、モチベーションアップにも配慮しています」。
「長い廊下を活かして『自主トレロード』をつくり、10メートルごとに目印を付け、目標を立てて取り組んでいることも特徴。目標を達成したらシールを差し上げてポイントを集めていただき、ポイントがいっぱいになると表彰式をして記念撮影も行っているんです」。
リハビリ意欲が向上するよう、とても工夫されているんですね。
フロア
多職種の皆さんにお会いできました。
「当施設では、在宅復帰を支えるだけでなく、1日でも長く在宅生活を続けていただくためのお手伝いにも力を注いでいて、ご家族や居宅介護支援事業所のケアマネージャー、かかりつけ医などとの連携を大切にしています」。
「リハビリは、各種療法やトレーニング指導だけでなく、心豊かな生活につながるプログラムも充実させていて、メイクやスキンケアを行う『お化粧リハビリ』も導入し、QOL(生活の質)の向上にも働きかけています」。
「また、晴れた日は屋外での歩行訓練や外出レクリエーションを取り入れるなど、笑顔で楽しく活動できる場をより多く提供したいと考えています」。
この施設なら母を安心して預けられそう。今日はありがとうございました。
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